最終更新: 2026-06-01
気象庁の平年値データによると、6月の東京の平均気温は22.0℃。梅雨入り前後のこの時期は、産卵を控えた魚介が脂を蓄え、初夏の野菜が瑞々しさを増す、天ぷらにとって最高の季節です。
「6月に旬の天ぷら食材って何があるの?」「せっかくなら旬の食材を一番おいしい揚げ方で楽しみたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、6月に旬を迎える天ぷら食材を魚介4種・野菜4種の計8種に厳選し、それぞれの選び方から下処理、揚げ温度・揚げ時間まで職人視点で徹底解説します。まず6月の旬の全体像を把握し、次に食材別の揚げ方のコツ、最後に旬の天ぷらを味わえる名店情報をお伝えします。
6月が旬の天ぷら食材とは?季節を味わう基本知識
天ぷらは「旬の食材を衣で包み、高温の油で一気に火を通す」料理です。旬の食材は水分量や脂のりが最適な状態にあるため、衣の中で蒸し上がるように火が通り、素材本来の味わいが際立ちます。
6月は暦の上では「初夏」から「梅雨」へと移る季節。この時期ならではの天ぷら食材を整理すると、以下のようになります。
| 分類 | 食材名 | 旬のピーク | 天ぷらとの相性 |
|---|---|---|---|
| 魚介 | キス(シロギス) | 6月〜8月 | 江戸前天ぷらの代名詞 |
| 魚介 | 鮎(アユ) | 6月〜7月 | 丸ごと揚げて骨まで食べられる |
| 魚介 | イサキ | 6月〜7月 | 脂ののった白身が衣と好相性 |
| 魚介 | スズキ | 6月〜8月 | 淡白な身がサクッと仕上がる |
| 野菜 | なす | 6月〜9月 | とろりとした食感が特徴 |
| 野菜 | 大葉(青じそ) | 6月〜9月 | 香りのアクセントに最適 |
| 野菜 | みょうが | 6月〜10月 | 爽やかな風味が天つゆに合う |
| 野菜 | とうもろこし | 6月〜8月 | かき揚げの定番食材 |
6月の旬食材には「走り」と呼ばれる出始めのものが多く、まだ身が若くて繊細な味わいが楽しめるのが特徴です。天ぷら職人の世界では「走りの食材こそ天ぷらで活きる」と言われています。衣という薄いバリアが素材の水分を閉じ込め、繊細な旬の味わいをそのまま届けてくれるからです。
6月が旬の魚介で作る天ぷら|キス・鮎・イサキ・スズキ
キス(シロギス)──江戸前天ぷらの夏の主役
キスは「江戸前天ぷらの花形」と呼ばれる魚です。旬は6月から8月で、産卵前のこの時期は浅瀬に上がってきてエサをたくさん食べるため、身がよく肥えています。
くせのない淡白な白身は、カラッと揚がった衣とのコントラストが絶妙です。口の中でサクッとした衣を噛んだ瞬間、ふわふわの上品な身がほどける感覚は、天ぷらでしか味わえない贅沢と言えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 旬 | 6月〜8月(ピーク:6月〜7月) |
| 産地 | 千葉県・神奈川県(江戸前)、瀬戸内海 |
| 揚げ温度 | 180℃ |
| 揚げ時間 | 1分30秒〜2分 |
| 下処理 | 開いて骨を取り、皮目に軽く切り込みを入れる |
キスの天ぷらを家庭で揚げるときのポイントは、水分をしっかり拭き取ることです。身が薄いため、余分な水分があると衣がべたつきます。薄力粉を薄くまぶしてから冷たい衣にくぐらせ、180℃の油で一気に揚げると、プロに近い仕上がりになります。
食材別の揚げ時間については、本記事後半の一覧表もあわせてご確認ください。
鮎(アユ)──初夏の清流が育む香魚
鮎は「香魚」の別名を持つ、6月を代表する川魚です。天然の鮎は苔を食べて育つため、独特の清々しい香りがあります。小ぶりの鮎なら丸ごと天ぷらにでき、頭から尾まで骨ごと食べられるのが魅力です。
下処理のコツは以下の手順です。
1. 鮎の表面を包丁の背で軽くこすり、ぬめりとウロコを取る
2. 流水で洗い流し、キッチンペーパーで水気を拭き取る
3. 両面に軽く塩をまぶして5分置き、出てきた水分を再度拭く
4. 腹に爪楊枝で小さな穴を開ける(揚げたときの破裂防止)
5. 薄力粉を薄くまぶしてから衣にくぐらせる
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 旬 | 6月〜7月(天然物のピーク) |
| 産地 | 四万十川、長良川、狩野川など全国の清流 |
| 揚げ温度 | 170℃ |
| 揚げ時間 | 小鮎:3〜4分、成魚:6〜7分 |
| 下処理 | ぬめり取り→塩振り→水分拭き→腹に穴 |
天ぷら専門店では、鮎の天ぷらに抹茶塩を添えることが多いです。衣の中で蒸された鮎の香りと、抹茶の風味が重なる瞬間は、まさに6月だけの味覚体験です。
イサキ──「梅雨イサキ」は脂のりが最高
「麦わらイサキ」「梅雨イサキ」という言葉があるように、イサキは麦の刈り取り時期にあたる6月頃に旬を迎えます。産卵前のこの時期は身が太り、脂のりが格段によくなります(旬の食材百科より)。
イサキの天ぷらは、脂がのった白身が衣の中でジューシーに蒸し上がるのが特徴です。刺身で食べられるほど鮮度のよいイサキを使えば、半生に仕上げる「レア天ぷら」も楽しめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 旬 | 6月〜7月(「梅雨イサキ」がピーク) |
| 産地 | 房総半島、伊豆半島、九州沿岸 |
| 揚げ温度 | 180℃ |
| 揚げ時間 | 2分〜2分30秒 |
| 下処理 | 三枚におろし、皮付きのまま一口大に切る |
スズキ──夏の白身魚の王者
スズキは「初夏から夏が旬」と言われる魚で、6月の脂のりは格別です。身は白く透き通り、淡白ながらも上品な旨みがあります。天ぷらにすると、サクッとした衣の中からしっとりとした白身がほどけ、天つゆとの相性も抜群です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 旬 | 6月〜8月 |
| 産地 | 東京湾、瀬戸内海、有明海 |
| 揚げ温度 | 180℃ |
| 揚げ時間 | 2分〜2分30秒 |
| 下処理 | 三枚におろし、骨を抜いて一口大に切る |
6月が旬の野菜で作る天ぷら|なす・大葉・みょうが・とうもろこし
なす──とろける食感の初夏の定番
なすは6月から本格的に旬を迎え、7月〜9月にピークを迎えます。初夏のなすは皮が薄くて実が締まっており、天ぷらにすると中がとろりとした独特の食感になります。
揚げるときの最大のポイントは、皮目に隠し包丁を入れることです。格子状に浅く切り込みを入れると、油の通りが均一になり、中までしっかり火が通ります。なすは油を吸いやすい食材のため、衣をやや厚めにつけて油の吸収を抑えるのもプロの技です。
なす天ぷらの詳しいコツでは、品種別の揚げ方まで解説しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 旬 | 6月〜9月(ピーク:7月〜9月) |
| 揚げ温度 | 170℃〜180℃ |
| 揚げ時間 | 2分30秒〜3分 |
| 下処理 | 縦半分に切り、皮目に格子状の切り込みを入れる |
大葉(青じそ)──香りで魅せる薬味天ぷら
6月に入ると大葉が本格的に旬を迎えます。天ぷらにすると、揚げた瞬間に広がるさわやかな香りが食欲をそそります。片面だけに衣をつけ、衣を下にして油に入れると、パリパリの食感に仕上がります。
大葉天ぷらをパリパリに揚げるコツもあわせてご覧ください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 旬 | 6月〜9月 |
| 揚げ温度 | 170℃ |
| 揚げ時間 | 30秒〜40秒 |
| 下処理 | 洗って水気をしっかり拭き取るだけ |
みょうが──梅雨時にぴったりの爽やかな一品
みょうがは6月から出回り始める夏の薬味野菜です。天ぷらにすると、生で食べるときとは違った、ほんのり甘みのある味わいに変化します。縦半分に切ってから揚げると、花のように衣が開いて見た目も美しく仕上がります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 旬 | 6月〜10月 |
| 揚げ温度 | 170℃ |
| 揚げ時間 | 1分〜1分30秒 |
| 下処理 | 縦半分に切り、切り口を下にして衣をつける |
とうもろこし──初夏のかき揚げの主役
6月はとうもろこしの走りの時期です。粒を芯から外してかき揚げにすると、衣のサクサク感ととうもろこしの甘みが絶妙にマッチします。この時期のとうもろこしは糖度が高く、塩だけで十分おいしく食べられます。
かき揚げの作り方のコツを参考にすると、バラバラにならず美しく仕上がります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 旬 | 6月〜8月(ピーク:7月) |
| 揚げ温度 | 180℃ |
| 揚げ時間 | 2分〜2分30秒(かき揚げの場合) |
| 下処理 | 芯から粒を外し、薄力粉をまぶしてからかき揚げ衣に混ぜる |
6月の旬食材を使った天ぷらの揚げ方|共通のポイント
旬の食材はそれぞれ水分量や脂のりが異なるため、揚げ方を食材に合わせて微調整することが大切です。ここでは、6月の旬食材に共通する揚げ方のコツをまとめます。
食材別の揚げ温度・時間一覧
| 食材 | 揚げ温度 | 揚げ時間 | ポイント |
|---|---|---|---|
| キス | 180℃ | 1分30秒〜2分 | 衣は薄めに。浮き上がったら完成 |
| 鮎(小鮎) | 170℃ | 3〜4分 | じっくり揚げて骨まで食べやすく |
| イサキ | 180℃ | 2分〜2分30秒 | 脂が多いので高温で手早く |
| スズキ | 180℃ | 2分〜2分30秒 | 身崩れしやすいので触りすぎない |
| なす | 170〜180℃ | 2分30秒〜3分 | 隠し包丁で均一に火を通す |
| 大葉 | 170℃ | 30〜40秒 | 片面衣でパリッと仕上げる |
| みょうが | 170℃ | 1分〜1分30秒 | 揚げすぎると香りが飛ぶ |
| とうもろこし | 180℃ | 2分〜2分30秒 | 粉をまぶしてバラけ防止 |
衣づくりの基本
6月は湿度が高い季節です。衣づくりでは特に以下の点に注意してください。
1. 薄力粉は使う直前まで冷蔵庫で冷やしておく
2. 水は氷水を使う(粉と水の温度差がサクサク感を生む)
3. 混ぜすぎない(粉っぽさが残る程度でやめる)
4. 湿度が高い日は粉の量をやや多めにする
梅雨時は室温・湿度が上がるため、衣がだれやすくなります。ボウルの下に氷を敷いて衣の温度を低く保つと、プロのような仕上がりに近づきます。天ぷらの衣をサクサクにするコツでは、さらに詳しい衣づくりのテクニックを紹介しています。
油の選び方と管理
天ぷら専門店では、6月の旬食材を揚げる際に太白ごま油を使うことが多いです。太白ごま油は素材の風味を邪魔せず、高温でも安定しているのが特徴です。家庭では、米油やキャノーラ油でも十分においしく揚がります。
6月の旬天ぷらを味わえる専門店|エリア別ガイド
旬の食材を最高の状態で味わうなら、やはり職人の技が光る専門店が格別です。Google Maps調べ(2026年6月時点)のデータをもとに、6月の旬天ぷらが楽しめるエリア別の情報を紹介します。
| エリア | 天ぷら専門店数 | 平均評価 | 平均口コミ数 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 24件 | 4.36 | 567.8 |
| 大阪府 | 27件 | 4.54 | 196.5 |
| 名古屋市 | 23件 | 4.25 | 212.4 |
| 京都市 | 23件 | 4.64 | 902.6 |
出典: Google Maps調べ(2026年6月時点)
京都市は平均評価4.64と全エリアで最も高い評価を獲得しています。京都の天ぷら専門店は賀茂なすや伏見唐辛子といった京野菜を使った旬の天ぷらに力を入れている店が多く、6月はまさにベストシーズンです。
東京都では、銀座・日本橋エリアを中心にカウンター席で旬のおまかせコースを提供する店が集まっています。6月のおまかせコースでは、キスや鮎が登場する店が多く、目の前で揚げたてを一品ずつ味わえます。
天ぷら専門店の最新データは天ぷら専門店の統計まとめページで定期更新しています。
6月の天ぷらに関するよくある質問
Q1: 6月の天ぷらで一番おすすめの食材は何ですか?
迷ったらキス(シロギス)をおすすめします。6月はキスの旬が始まる時期で、江戸前天ぷらでは夏の看板食材として扱われています。くせのない白身は天ぷら初心者でも失敗しにくく、家庭でも揚げやすい魚です。
Q2: 梅雨時に天ぷらを上手に揚げるコツは?
湿度が高い梅雨時は衣がだれやすいため、3つのポイントを意識してください。まず、粉と水は使う直前まで冷蔵庫で冷やすこと。次に、衣を作るボウルの下に氷を敷くこと。最後に、粉の量を通常より1割ほど多めにすることです。
Q3: 鮎の天ぷらは丸ごと揚げても大丈夫ですか?
小鮎(10cm程度)であれば丸ごと揚げて骨まで食べられます。成魚の場合は、170℃でじっくり6〜7分揚げると骨まで火が通ります。腹に爪楊枝で小さな穴を開けてから揚げると、水蒸気の逃げ道ができて破裂を防げます。
Q4: スーパーで買える6月の旬食材で天ぷらに向いているものは?
なす、大葉、みょうが、とうもろこしは6月に入るとスーパーでも手に入りやすくなります。特にとうもろこしのかき揚げは甘みが際立つこの時期ならではの味わいです。キスやイサキは鮮魚コーナーで見つかることもありますが、確実に手に入れたい場合は魚屋や鮮魚店を訪ねるのがよいでしょう。
Q5: 6月の天ぷらに合う薬味や調味料は?
6月の魚介天ぷらには、天つゆよりも塩で食べるのがおすすめです。抹茶塩、ゆず塩、藻塩など、素材の味を引き立てる塩を用意すると食卓が華やぎます。野菜天ぷらには天つゆも相性がよく、大根おろしとおろし生姜を添えると梅雨時のさっぱりとした味わいになります。
Q6: 6月以外にも旬の天ぷら食材を知りたいのですが?
天ぷらの食材は四季を通じて旬が移り変わります。春はたらの芽やふきのとうの山菜天ぷら、夏はキスや鮎の魚介天ぷら、秋はさつまいもや舞茸、冬はれんこんやカキが定番です。[天ぷらの種類一覧](https://tempura-navi.jp/tempura-5/tempura-shurui-ichiran/)では、季節別の食材を網羅しています。
まとめ:6月の旬食材で天ぷらの醍醐味を味わおう
6月に旬を迎える天ぷら食材のポイントを振り返ります。
- 魚介はキス・鮎・イサキ・スズキの4種が旬のピーク。特にキスは江戸前天ぷらの夏の代名詞
- 野菜はなす・大葉・みょうが・とうもろこしが出回り始める。とうもろこしのかき揚げは初夏の定番
- 梅雨時は衣がだれやすいので、粉と水をしっかり冷やし、粉の量をやや多めにする
- 旬の天ぷらは塩で食べると素材の味が引き立つ。抹茶塩やゆず塩も好相性
まずは手に入りやすいなすや大葉の天ぷらから試してみてはいかがでしょうか。慣れてきたら、キスや鮎といった旬の魚介にも挑戦すると、天ぷらの奥深さをより実感できるはずです。
天ぷらの基本的な揚げ方のコツもあわせて確認しておくと、旬の食材をさらにおいしく揚げられます。
参考情報
- 気象庁「過去の気象データ(平年値: 1991-2020年平均)」
- 旬の食材百科辞典「6月が旬の魚貝」(foodslink.jp)
- さかな通信「江戸前天ぷら夏の定番 キス」(fish.uopochi.jp)
- dancyu「季節限定の贅沢。薄衣で味わう 小鮎の天ぷら」(dancyu.jp)
- 昭和産業「夏のおすすめ天ぷら食材」(showa-sangyo.co.jp)
- Google Maps「天ぷら専門店データ」(2026年6月時点)


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