最終更新: 2026-04-12
Google Mapsの調査によると、東京都内には23件以上の天ぷら専門店が登録されており、平均評価は4.38と全国でもトップクラスの水準です(Google Maps調べ、2026年4月時点)。なかでも創業100年を超える老舗は、天ぷらの歴史そのものを味わえる特別な存在として、根強い人気を誇っています。
「東京で本当においしい天ぷらの老舗を知りたい」「老舗ならではの江戸前天ぷらを体験してみたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、天ぷらナビ編集部が東京都内で100年以上の歴史を持つ老舗天ぷら店を5軒厳選し、それぞれの歴史・特徴・メニュー・予算・アクセスを徹底解説します。まず老舗天ぷら店の選び方を紹介し、次に各店舗の詳細を解説、最後に老舗ならではの楽しみ方と、天ぷら職人の修行文化についてもお伝えします。
東京の天ぷら老舗とは?押さえておきたい基本知識
東京における天ぷらの歴史は、江戸時代後期にまでさかのぼります。当時は屋台料理として庶民に親しまれていた天ぷらが、明治時代に入ると店舗を構える専門店へと発展していきました。
「江戸前天ぷら」とは、東京湾で獲れた新鮮な魚介を胡麻油で揚げるスタイルを指します。衣はやや厚めで、揚げ色が濃いのが特徴です。この伝統的な揚げ方は、現在も老舗の多くが受け継いでいます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 歴史 | 江戸時代後期に屋台から始まり、明治期に店舗化が進む |
| 油 | 胡麻油(純正胡麻油、または胡麻油ブレンド)が主流 |
| 揚げ色 | 濃いきつね色が江戸前の特徴 |
| 代表的な食材 | 車海老、穴子、きす、めごち、小柱 |
| 提供スタイル | カウンターで揚げたてを一品ずつ提供する形式が多い |
東京には創業100年以上の天ぷら老舗が複数存在し、いずれも独自の揚げ油や衣の配合を代々受け継いでいます。老舗を訪れることは、単に食事をするだけでなく、江戸の食文化そのものに触れる体験でもあるのです。
東京の天ぷら老舗5選|創業順に徹底紹介
ここからは、東京都内で100年以上の歴史を持つ天ぷらの老舗を創業年順に紹介します。いずれも天ぷら職人が代々技を受け継ぎ、現在まで営業を続けている名店ばかりです。
雷門 三定(さんさだ)|天保8年(1837年)創業
日本最古の天ぷら屋として知られる三定は、浅草・雷門のすぐ右隣に位置しています。初代・定吉が三河国(現在の愛知県)から上京し、日本橋人形町に天ぷらの屋台を開いたのが始まりです。「一に浅草、二に観音、三に三定の天ぷら」というフレーズは、今もなお語り継がれています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 東京都台東区浅草1-2-2 |
| アクセス | 東京メトロ浅草駅より徒歩1分 |
| 営業時間 | 11:30~21:30(L.O. 21:00) |
| 定休日 | 不定休 |
| 予算 | ランチ 1,500円~ / ディナー 3,000円~ |
| 予約 | 不要(混雑時は待ち時間あり) |
三定の天ぷらは、近海で獲れた江戸前の魚介を100%胡麻油で揚げるスタイルを創業以来守り続けています。名物の「上天丼」は、車海老・きす・かき揚げがのった看板メニューです。秘伝の丼つゆと胡麻油の香りが調和した一品は、180年以上の歴史を感じさせる味わいです。
天麩羅 中清(なかせい)|明治3年(1870年)創業
浅草の表通りから石畳を進んだ先にある中清は、池のある中庭と数寄屋造りの離れ座敷が特徴的な老舗です。浅草の喧騒から一歩入ると、静寂に包まれた和の空間が広がります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 東京都台東区浅草1-39-13 |
| アクセス | 東京メトロ浅草駅より徒歩5分 |
| 営業時間 | 昼 11:30~14:00 / 夜 17:00~21:00 |
| 定休日 | 水曜日 |
| 予算 | ランチ 5,000円~ / ディナー 11,000円~ |
| 予約 | 推奨(離れ座敷は要予約) |
中清の名物は「雷神揚げ」です。芝海老と小柱(青柳の貝柱)のみで揚げた大ぶりのかき揚げで、仏文学者・辰野隆博士が名付けたとされています。揚げ方は門外不出とされ、代々の職人だけが知る技術です。庭園を眺めながら天ぷらを楽しめる離れ座敷での食事は、ほかでは得られない贅沢な体験です。
銀座天國(てんくに)|明治18年(1885年)創業
銀座天國は、明治18年に銀座3丁目で小さな屋台店として開業しました。当時の天ぷらは、揚げたてを並べた端からお客が指でつまんで食べる、いわば江戸のファストフードでした。大正13年(1924年)に現在地へ移転し、昭和59年(1984年)に現在のビルが完成しています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 東京都中央区銀座8-11-3 |
| アクセス | JR新橋駅より徒歩3分 / 東京メトロ銀座駅より徒歩5分 |
| 営業時間 | 11:30~22:00(ランチ15:00まで、L.O. 21:00) |
| 定休日 | 年末年始のみ |
| 予算 | ランチ 1,500円~ / ディナー 5,500円~ |
| 予約 | 推奨 |
天國の天ぷらは、江戸前特有の胡麻油の香りと濃い揚げ色が特徴です。ランチの「天丼」は海老二尾・きす・茄子・野菜かき揚げに味噌汁・香の物がつき、1,500円からという銀座としてはリーズナブルな価格で江戸前天ぷらを堪能できます。銀座天國 栞(しおり)では、コース料理(ランチ5,500円~、ディナー14,300円~)も用意されています。
てん茂(てんも)|明治18年(1885年)創業
日本橋本町のビル街にひっそりと佇むてん茂は、初代・奥田茂三郎が屋台で創業し、明治40年に現在地に店を構えました。飴色に輝くカウンター9席と奥の小上がり8席という小さな空間で、140年以上にわたり江戸前天ぷらを提供し続けています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 東京都中央区日本橋本町3-2-1 |
| アクセス | 東京メトロ三越前駅より徒歩5分 |
| 営業時間 | 昼 11:30~13:30 / 夜 17:00~20:30 |
| 定休日 | 日曜日・祝日 |
| 予算 | ランチ 5,500円~ / ディナー 12,100円~ |
| 予約 | 推奨 |
てん茂のこだわりは油にあります。初代より「岩井」の胡麻油のみを使用しており、炒った胡麻から搾った油は酸化しにくく、風味がよく、油切れも優れています。アルカリやビタミンEが豊富なこの油で揚げた天ぷらは、もたれにくいのが特徴です。
名物の「竹皮包み天丼」は、初代と二代目が明治・大正期に考案した持ち帰り専用の天丼で、1,728円(税込・限定数)で販売されています。春には白魚や蕗の薹、夏には琵琶湖の稚鮎や千葉の鮑と、季節ごとに変わる天種も見逃せません。
土手の伊勢屋(どてのいせや)|明治22年(1889年)創業
三ノ輪に位置する土手の伊勢屋は、初代・若林義三郎が開業した天ぷら屋です。かつて店の前に土手があったことから「土手の伊勢屋」の名で親しまれるようになりました。関東大震災後の昭和2年(1927年)に再建された建物は、2010年に国の登録有形文化財に指定されており、建築としての価値も高い名店です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 東京都台東区日本堤1-9-2 |
| アクセス | 東京メトロ三ノ輪駅より徒歩10分 |
| 営業時間 | 11:00~14:00 / 16:30~20:30 |
| 定休日 | 水曜日 |
| 予算 | ランチ 1,500円~ / ディナー 2,500円~ |
| 予約 | 不要(混雑時は待ち時間あり) |
土手の伊勢屋は、創業当初は天ぷらだけでなく鍋料理やうなぎも提供していましたが、二代目が天ぷら専門へ転換しました。名物は穴子の天ぷらで、店先の水槽で活かしている穴子をその日の朝にさばき、揚げたてを提供しています。天丼は丼からはみ出すほどのボリュームで、かつての吉原遊廓の門前にある立地とあわせて、下町の情緒を感じられる一軒です。
東京の天ぷら老舗|徹底比較表
5軒の老舗を一覧で比較すると、予算や雰囲気の違いが明確になります。訪問目的に合わせてお店を選ぶ際の参考にしてください。
| 店名 | 創業年 | エリア | ランチ予算 | ディナー予算 | 雰囲気 | 予約 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 三定 | 1837年 | 浅草 | 1,500円~ | 3,000円~ | 観光地の活気 | 不要 |
| 中清 | 1870年 | 浅草 | 5,000円~ | 11,000円~ | 庭園・離れの静寂 | 推奨 |
| 天國 | 1885年 | 銀座 | 1,500円~ | 5,500円~ | 銀座の品格 | 推奨 |
| てん茂 | 1885年 | 日本橋 | 5,500円~ | 12,100円~ | 隠れ家の風情 | 推奨 |
| 土手の伊勢屋 | 1889年 | 三ノ輪 | 1,500円~ | 2,500円~ | 下町の情緒 | 不要 |
気軽に老舗の味を体験したい方は三定・天國・土手の伊勢屋がランチ1,500円前後から楽しめます。特別な日の食事や接待には、庭園を眺めながらコース料理をいただける中清や、カウンターで職人の技を間近に見られるてん茂がおすすめです。東京でミシュラン掲載の天ぷら店を探している方は、あわせてチェックしてみてください。
老舗天ぷら店を最大限楽しむためのポイント
老舗の天ぷら店を訪れる際には、いくつかのポイントを押さえておくと、より充実した食体験になります。
訪問のタイミング
| 時間帯 | おすすめの楽しみ方 |
|---|---|
| 平日ランチ(11:30~) | 待ち時間が少なく、リーズナブルに老舗の味を体験できる |
| 休日ランチ | 三定・土手の伊勢屋は行列必至。開店30分前の到着がおすすめ |
| ディナー(予約あり) | 中清やてん茂ではコース料理で旬の食材を存分に堪能 |
老舗ならではの食べ方
老舗の天ぷらをさらに楽しむために、以下の点を意識してみてください。
揚げたてが提供されたら、すぐにいただくのが基本です。カウンター席であれば、職人が一品ずつ揚げてくれるため、最高の状態で味わえます。天つゆと塩の両方が用意されている店では、まず塩でいただくと素材本来の風味を感じ取れます。天ぷらの種類を事前に知っておくと、メニュー選びがさらに楽しくなるでしょう。
4月は初がつおやさよりが旬を迎える時期です(気象庁 平年値データ参照)。老舗では季節ごとに天種が変わるため、旬の食材を確認してから訪問すると、その時期ならではの味を体験できます。
老舗で受け継がれる天ぷら職人の技と修行文化
天ぷらの老舗が100年以上にわたり味を守り続けている背景には、職人の修行文化があります。ここでは、競合メディアではあまり触れられない、老舗の「内側」についてお伝えします。
老舗の天ぷら店では、一人前の職人になるまでに最低でも5年から10年の修行が必要とされています。下ごしらえや仕込みから始まり、油の温度管理、衣の配合、食材ごとの揚げ時間の見極めなど、すべてを体得するには長い年月がかかります。
たとえば三定では、創業以来オーナーシェフ制度を守り続けており、代々の店主が自ら揚げ場に立ちます。てん茂も四代目が油と衣の配合を受け継ぎ、141年の味を維持しています。中清の「雷神揚げ」の揚げ方が門外不出とされているのも、技術の継承を大切にしている証です。
天ぷら職人を志す方にとって、老舗での修行は技術だけでなく、食材への向き合い方や接客の心構えまで学べる貴重な機会です。天ぷら職人のキャリアに興味がある方は、天ぷらの揚げ方の基本を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
老舗天ぷら店の周辺スポット|合わせて楽しむモデルコース
天ぷらの老舗が集中する浅草・銀座・日本橋エリアには、天ぷらと合わせて楽しめるスポットが数多くあります。
浅草エリア(三定・中清)
| 時間 | スポット | ポイント |
|---|---|---|
| 10:00 | 浅草寺・仲見世通り散策 | 雷門から本堂まで約250mの参道を楽しむ |
| 11:30 | 三定または中清で天ぷらランチ | 三定なら予約不要、中清は事前予約推奨 |
| 13:00 | 合羽橋道具街 | 天ぷら鍋や揚げ箸など調理道具の専門店街を散策 |
| 14:30 | 浅草文化観光センター展望テラス | 無料で浅草の街並みを一望できる |
銀座・日本橋エリア(天國・てん茂)
銀座の天國でランチを楽しんだ後は、銀座のおすすめ天ぷら店を巡るのもよいでしょう。日本橋のてん茂であれば、日本橋三越や三井記念美術館などの文化施設もすぐ近くにあります。
天ぷら老舗 東京に関するよくある質問
Q1: 東京で最も古い天ぷら屋はどこですか?
浅草の「雷門 三定(さんさだ)」が天保8年(1837年)創業で、現存する日本最古の天ぷら屋とされています。初代・定吉が日本橋人形町に屋台を構えたのが始まりで、180年以上の歴史があります。
Q2: 老舗天ぷら店の予算はどれくらいですか?
店舗によって幅があります。三定・天國・土手の伊勢屋ではランチ1,500円前後から楽しめます。中清やてん茂はコース料理が中心で、ランチでも5,000円以上の予算が目安です。ディナーのコースでは10,000円を超える店舗もあります(2026年4月時点)。
Q3: 予約は必要ですか?
三定と土手の伊勢屋は予約不要で、並べば入れます。ただし、休日のランチタイムは混雑するため、開店30分前の到着をおすすめします。中清・天國・てん茂は事前予約が推奨で、特に中清の離れ座敷は予約必須です。
Q4: 江戸前天ぷらと普通の天ぷらの違いは何ですか?
江戸前天ぷらは、胡麻油(または胡麻油ブレンド)で揚げることが最大の特徴です。衣がやや厚めで、揚げ色が濃いきつね色になります。一方、関西風の天ぷらはサラダ油を使用し、薄い衣で白っぽく仕上げるのが一般的です。東京の老舗の多くは江戸前スタイルを守り続けています。天ぷらの揚げ方について詳しくは「[天ぷらの揚げ方 食材別ガイド](https://tempura-navi.jp/tempura/tempura-agejikan-shokuzaibetsu/)」もご覧ください。
Q5: 子ども連れでも入れる老舗はありますか?
三定や天國は比較的カジュアルな雰囲気で、子ども連れでも入りやすい店舗です。土手の伊勢屋も下町の気さくな雰囲気で家族連れに向いています。一方、中清やてん茂は落ち着いた大人向けの空間のため、小さなお子さま連れの場合は事前に店舗へ確認することをおすすめします。
Q6: 天ぷら職人として老舗で働くことはできますか?
老舗天ぷら店の多くは、見習いや修行生の受け入れを行っています。ただし、一般的な求人サイトには掲載されないことが多く、直接店舗に問い合わせるか、調理師学校の就職課を通じて紹介を受けるのが一般的です。修行期間は5年から10年が目安で、技術だけでなく食材への知識や接客まで幅広く学ぶことができます。
関連記事: 京都の天ぷら人気店おすすめ10選|祇園から穴場まで厳選
まとめ:東京の天ぷら老舗を訪れる前に
東京には、江戸時代から続く天ぷらの老舗が今もなお営業を続けています。この記事で紹介した5軒の要点を改めて整理します。
- 日本最古の天ぷら屋「三定」は1837年創業で、浅草・雷門のすぐ隣で気軽に江戸前天ぷらを楽しめる
- 「中清」は庭園と離れ座敷が魅力で、特別な日の食事に最適
- 「天國」は銀座で140年の歴史を持ち、ランチ1,500円からと手頃な価格設定
- 「てん茂」は岩井の胡麻油100%にこだわる日本橋の隠れ家
- 「土手の伊勢屋」は登録有形文化財の建物で下町の天ぷらを堪能できる
まずは気軽に訪問できる三定や天國のランチから始めてみてはいかがでしょうか。東京の天ぷら老舗を巡ることで、江戸の食文化を五感で体験できるはずです。
天ぷらの名店をもっと知りたい方は「天ぷら名店ランキング」も参考にしてください。最新の店舗数や評価データは天ぷら専門店の統計まとめで定期更新しています。
参考情報
- 三定 公式サイト「三定の由来と江戸前天ぷら」(http://tempura-sansada.co.jp/yurai.html)
- 天麩羅 中清 公式サイト「中清のご紹介」(https://asakusa-nakasei.com/about/)
- 銀座天國 公式サイト「天國の歴史」(https://www.tenkuni.com/history/)
- てん茂 公式サイト(http://www.tenmo.jp/)
- 土手の伊勢屋 公式サイト(http://www.dotenoiseya.jp/)
- 浅草観光連盟「雷門前にある、日本で最も古いてんぷら店 三定」(https://e-asakusa.jp/spot/350)
- 三定 – Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/三定)— 創業年・住所の検証に使用


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