2026年8月第4週(8月17日〜23日)は、「天丼の多様化」と「名店の物語」が同時進行した一週間だった。元麻布の隠れ家割烹が鮨と天ぷらを一つのカウンターで融合させる話題を届けた一方、チェーン大手のさん天は秋の風物詩であるお月見を先取りしたフェアを開幕させた。また、文豪・司馬遼太郎が愛した土地・高知の名物天丼が注目を集め、三河湾の活魚を使った特大エビ天丼も報じられた。残暑の最中にあって、天ぷら・天丼業界が夏の締めくくりと秋の準備を同時に進める様相が色濃く浮かび上がった週となった。
新店・名店
文豪・司馬遼太郎が愛した高知の天丼 — 「即席割烹タマテ」の一皿
歴史作家・司馬遼太郎(1923〜1996年)が好んで訪れたと伝えられる高知市の名店「即席割烹タマテ」の天丼を、Infoseekが「作家が愛した名店」シリーズで8月17日に取り上げた。
「タマテ」はカウンター席が主体の気取らない構えながら、地元土佐の食材を活かした質の高い天丼で地元客から支持されてきた老舗だ。司馬作品の舞台として知られる高知は、カツオ消費量が全国断トツ一位(総務省家計調査)であり、太平洋の荒波で育った海産物が日常の食卓と外食の両方を豊かに彩る土地柄である。司馬が「タマテ」を選んだ理由として、料理の素朴な実直さと、土佐の海の幸を揚げたてで楽しめるカウンターの空気感が挙げられるのではないかと記事は推測している。
天丼という料理は、職人が生み出す「揚げたての一瞬」を閉じ込めた料理であり、その時間を知る作家が店を繰り返し訪れたことは、天丼の持つ文化的な豊かさを裏書きするエピソードとして印象深い。高知の天ぷら・天丼文化については、高知の天ぷら名店5選|土佐の食材と職人技が光る本格店ガイド2026でも詳しく紹介している。
(情報元:Infoseek)
元麻布 ささ野 — 鮨割烹と天ぷらを一つのカウンターで
Pen Onlineが8月19日、東京・元麻布に構える「元麻布 ささ野」を「接待やデートに最適な大人の隠れ家」として紹介した。この店の最大の特徴は、鮨割烹と天ぷらを同一のカウンター空間で提供する「二刀流」の業態にある。
料理人が一人でにぎりと揚げを切り替えながらゲストに供するスタイルは、日本料理の奥行きを一席で体感できる贅沢な設計だ。接待・デートといった「特別な夜」の空気を意識した内装と、素材吟味への徹底したこだわりが相まって、同店は都内のコアな美食家の間で高い評価を得ている。
天ぷらを「揚げ物」として単独で楽しむのではなく、鮨や割烹料理と組み合わせることでコースとしての流れを生み出す——こうした複合業態は近年の高級和食シーンで注目を集めている潮流の一つであり、元麻布 ささ野はその先端を走る存在として位置づけられている。
(情報元:Pen Online)
三河湾の「幻の高級魚」と特大エビ天丼 — CBCアナが現地で堪能
CBCテレビのYahoo!ニュース転載記事(8月19日)が、「食べる水族館」と称される三河湾の海鮮レストランを紹介した。生け簀から取り出したばかりの鮮魚を丸ごと調理する体験型の食事スポットで、CBCの友廣アナウンサーが幻の高級魚とともに「特大エビ天丼」を実食したレポートだ。
三河湾は愛知・静岡・三重の三県に囲まれた閉鎖性海域で、豊富な栄養分と温暖な水温が多様な海産物を育む。えびは天ぷらにとって最も象徴的な食材の一つであり、活けのままその場で揚げた天ぷらは鮮度とプリプリ感において全く異なる次元の料理体験を生む。「特大」という表現が示すのは単なるサイズだけではなく、産地の豊かさと食材の質を凝縮した一皿への賛辞とも読み取れる。
えびの天ぷらに関する揚げ方・下処理の詳細はえびの天ぷら完全ガイドで解説している。旬を迎えたえびをより深く楽しむ参考にしてほしい。
(情報元:Yahoo!ニュース)
天ぷら・麺処 新宿亭 梅田・銀座が江戸前天丼を半額提供
いこーよニュース、フーズチャネル、GISELeの各媒体が相次いで報じたのは、「天ぷら・麺処 新宿亭」の期間限定半額キャンペーンだ。名物「本格江戸前天丼」(通常1,800円)を900円で提供するとあって、8月24日からのランチタイムに向けて大きな注目が集まっている。
大阪・梅田店は8月24日〜30日、東京・銀座店は8月24日〜28日の限定実施。900円という価格設定は、江戸前の本格天丼としてはかなりの割安感があり、初めて同店を訪れる層にとっても敷居を下げる効果がある。
江戸前天丼の特徴は、海老・いか・穴子など江戸湾(東京湾)ゆかりの食材を、深い旨みのタレで煮絡めたかき揚げとともに丼に盛ることにある。タレのベースとなる甘辛いだしの仕立て方が店ごとの個性を決定づけるといっても過言ではない。自家製タレの作り方は天丼タレの作り方【黄金比率】で詳しく紹介している。
(情報元:いこーよニュース、フーズチャネル、GISELe)
寝屋川「たつ美」の数量限定天丼が話題
寝屋川つーしん(8月22日)が、大阪・寝屋川市早子町の飲食店「たつ美」の数量限定天丼を紹介した。毎日数量限定で提供される天丼は地元常連客を中心に支持を集めており、地域に根ざした店の天丼文化を伝えるローカル密着型の記事として届けられた。
チェーン店ではなく、地域に密着した個人店が丹精込めて揚げる天丼は、天ぷら文化のもう一つの根幹を担っている。数量限定という形式は、職人が一日に揚げられる品質を保った量に自ら上限を設けている姿勢の表れでもある。大阪の天ぷら・天丼シーンは東京と異なる多層的な文化を育んできており、こうした地域の名店を発掘することも天ぷらを深く知る上で欠かせない視点だ。
(情報元:寝屋川つーしん)
業界トレンド
さん天、お月見フェアを8月20日から開幕 — 鶏天3枚と無限ご飯
「天丼・天ぷら本舗 さん天」が8月20日より「お月見フェア」を開始したと、PR TIMESと週刊アスキーが報じた。目玉メニューは、鶏天3枚をのせた「お月見天ぷら定食」で、ご飯のおかわりが何度でも無料という破格の特典つきだ。
さん天は全国展開する天丼・天ぷらチェーン(サトフードサービス/SRSホールディングス運営)で、年4回前後の季節フェアを通じて客数を維持・拡大してきた実績を持つ。今回のお月見テーマは、「2026年の中秋の名月が10月1日」という事実に基づく先取り季節企画だ。食材として使われる鶏天は、大分県の郷土料理「とり天」に源流を持ち、揚げ物の中でも胸肉のヘルシーさと白身のさっぱり感が夏から秋の境目に合うとされる。
ご飯おかわり無料という太っ腹な設定は、食欲の落ちやすい残暑期に客の「もう一度来たい」という動機を強化する戦略として機能している。チェーン店が季節ごとにこうした話題を生み出すことで、天ぷら業態全体の認知度向上にも貢献している。さん天の詳細なメニューや評判については【さん天】全国展開チェーンの天丼・天ぷら定食完全ガイドを参照してほしい。
(情報元:PR TIMES、週刊アスキー)
てんや、夏の締めくくりに「海老と活〆穴子切身の天丼」を季節限定投入
日本最大規模の天丼チェーン・てんやが、「海老と活〆穴子切身の天丼」を季節限定発売したと風傳媒(8月20日)が伝えた。あわせて藪そばとのセット設定も設け、「清涼感あふれる夏の締めくくり」として位置づけている。
穴子は夏から初秋にかけてが旬とされ、脂がのって甘みが増した時季の穴子天ぷらは格別とされる。活〆という表記は鮮度への徹底したこだわりを示すもので、チェーン規模での品質訴求として注目に値する。海老は天丼の定番素材だが、車海老や芝海老など素材の種類によって食感と甘みが大きく異なる。てんやがこのタイミングに高鮮度の穴子と海老を組み合わせたことは、残暑を経て本格的な秋の食材シーズンへ向かう前に旬の良さを最大限に引き出す狙いがある。
藪そばとのセット販売は、天丼・そばという江戸前の組み合わせの正統性を踏まえた提案であり、ランチタイムに重いものを避けたいニーズにも応える構成といえる。
(情報元:風傳媒)
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関連記事: 天ぷらの食べすぎはどうなる?1日何個まで・胃もたれの原因・翌日の回復食を完全解説
関連記事: 月別の天ぷら旬食材カレンダー【2026年版】
関連記事: 天ぷら周平(東大宮)|地元に愛される老舗の軽やかな揚げと定食メニュー完全ガイド
今週のまとめ
| カテゴリ | トピック | 媒体 |
|---|---|---|
| 新店・名店 | 司馬遼太郎ゆかりの高知「即席割烹タマテ」天丼 | Infoseek |
| 新店・名店 | 元麻布 ささ野 鮨割烹×天ぷら二刀流 | Pen Online |
| 新店・名店 | 三河湾「幻の高級魚」と特大エビ天丼をCBCアナが堪能 | Yahoo!ニュース |
| 新店・名店 | 天ぷら・麺処 新宿亭 梅田・銀座 江戸前天丼半額900円(8/24〜) | いこーよ/フーズチャネル/GISELe |
| 新店・名店 | 寝屋川「たつ美」数量限定天丼が人気 | 寝屋川つーしん |
| 業界トレンド | さん天「お月見天ぷら定食」鶏天3枚・ご飯おかわり無料 8/20〜 | PR TIMES / 週刊アスキー |
| 業界トレンド | てんや「海老と活〆穴子切身の天丼」季節限定発売+藪そばセット | 風傳媒 |
今週最も印象的だったのは、文豪・司馬遼太郎が愛した土地・高知と、東京の隠れ家割烹・元麻布 ささ野という「物語のある天丼」が相次いで取り上げられた点だ。天丼や天ぷらに歴史や人の記憶が宿るとき、料理は食材と揚げ油の化学反応を超えた次元の存在になる。一方、さん天・てんやという大手チェーンは秋の到来を先読みしたフェアや新メニューで業態の活性化を図っており、業界全体が夏から秋へのシフトを着実に準備している様子が見て取れた。来週は中秋の名月(2026年10月1日)を意識した新企画と、旬の秋食材を使った天ぷらの話題に期待したい。
参考記事
- [司馬遼太郎が好んだ高知「即席割烹タマテ」の天丼【作家が愛した名店】|Infoseekニュース](https://news.google.com/rss/articles/CBMiZEFVX3lxTE5SVU8tWjFSTjh1RmpvMzRYeklmNjg5ZTVBM0NacmE5SFpJdDJHV2JkaXFYYlNfZjh4X09RaEVvOGk3RjRXQVRKMlNHT2YwM05qMDZ6Xy1rekJuVFM4WVJISFU1X28?oc=5)(Infoseek・2026年8月17日)
- [【接待やデートに最適な大人の隠れ家】鮨割烹と天ぷらの二刀流「元麻布 ささ野」で、肩肘張らずに日本料理の醍醐味を味わう](https://news.google.com/rss/articles/CBMiWEFVX3lxTE5DUFhwZVlncnc5NE9JelhjQ1haWC0tNTU5cnVqSUUxTmEwVkt2NlgzeC1vZmhVbHk3QlJ2UlRSLWhHV1V6cGxSeFFOQlp3XzBGR1gxWVN2Y00?oc=5)(Pen Online・2026年8月19日)
- [「食べる水族館」!?三河湾の海鮮が水槽からとれたて!CBC友廣アナが”幻の高級魚”と特大エビ天丼を堪能](https://news.google.com/rss/articles/CBMif0FVX3lxTE9xVEZNVFZtWFlldmE5azBCNHVJa0NROWM2NjBFbERka19icGdacXF5cHZaS3AwMVBxMTNsSUdEOFVIZm5aUF82Y0Q3WV9KWjFPSnJEcVdHODg2NFc3ZDkyZ3FodGYzM0x1X2tFaUFNc0VhUTR5ZWlMLXg3NEZVTTQ?oc=5)(Yahoo!ニュース・2026年8月19日)
- [名物・江戸前天丼が半額の900円!1週間限定のお得なランチキャンペーンが大阪・梅田で](https://news.google.com/rss/articles/CBMiUkFVX3lxTFBxVmxETjFUMUlkNUNXZjNxaWxpVDhzazR2SFNBZXR5bWVVbmRQQ3RrWXV6dEZNdThRajBtLXQ5a2lxaU5SbXJVQ0RMNGpKM180Z3c?oc=5)(いこーよニュース・2026年8月21日)
- [「たつ美」の『数量限定 天丼』など(寝屋川市早子町)【ねやつーグルメ】](https://news.google.com/rss/articles/CBMiZkFVX3lxTE0xZTA4a1dFaWNjcWc5cnFsZXFaXy01WGl5SVQ3WEZSMHR3TjN1VzJUVklOR0VKdXhZWTJfYk1fcTBYRThDS3FLRi1OY2xhMHBoVHF0cWtYZHo1TmhtRFRVbXlTOC1TQQ?oc=5)(寝屋川つーしん・2026年8月22日)
- [【天丼・天ぷら本舗 さん天】8/20(木)〜お月見フェア開催!](https://news.google.com/rss/articles/CBMiakFVX3lxTE05NXcyYUJUQWFDV0xYMGFPMjZidWJQMGxlbHd4MDMzQWliTVpYQW9aeGxjUXRRNnBndkhwVmFIaFhldWNBN29KTjFuTFFqLV9aTEZWYS1vdTNIUnFUS29yX3oxZUIxYTFLQ1E?oc=5)(PR TIMES・2026年8月19日)
- [鶏天3枚ドーン!「お月見天ぷら定食」、ご飯おかわり何度でも無料だって](https://news.google.com/rss/articles/CBMiXkFVX3lxTFAwMnhHaFpZaTd5Z1FZNmZxVGhORmN4bzBhX213a1E0UG5CcEZITmdiYVJJYnJreHJCZEYzNjluRlZfeVZ3dlMwR3pqWG9NUXJUVEVFOWxvMDVfcUxDWnc?oc=5)(週刊アスキー・2026年8月21日)
- [てんや、「海老と活〆穴子切身の天丼」を季節限定発売 藪そばセットで清涼感あふれる味わいに](https://news.google.com/rss/articles/CBMiUEFVX3lxTE5PRWlsSVhyVXY0dWhsYzhvYW9FeUhJU0xBa0xMUVFRdXlDTVRpalgxS0N0b1NkM1hzYzF3TkZkdXd5UkYwdkNQczFPS2E3bnlu?oc=5)(風傳媒・2026年8月20日)


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